今年の10月を思い出すとしたら、何を覚えていたいだろう。
大きな出来事を思い浮かべようとすると、案外すぐには出てこない。
仕事ではやることがいくつもあって、それなりに頑張った。
疲れて帰ってきて、食事をして、明日の準備をして眠る。
そんな日もたくさんあった。
休みの日には、家でゆっくりしている日もあれば、思い立って出かける日もあった。
知らない場所へ行ったり、好きなものを見たり、誰かと話したり。振り返れば、それなりにいろいろな時間を過ごしていた。
でも、10月が終わろうとしている今、一番残しておきたいのは出来事そのものではない気がする。
10月に感じていたことを覚えておく
仕事を頑張ったときの疲れ。
休みの日に出かけたときの楽しさ。
何となく気分が軽かった日や、少しだけ気持ちが沈んでいた日。
そういうものは、写真や予定表には残りにくい。
スマートフォンの写真を見返せば、どこへ行ったのかは思い出せる。
予定を確認すれば、その日に何をしていたのかも分かる。
けれど、そのとき自分がどんな気持ちだったのかまでは、なかなか残っていない。
だから今年の10月は、出来事ではなく「感覚」を覚えておきたいと思う。
よく頑張ったな、と思えたこと。
楽しかったな、と感じたこと。
少し疲れていたけれど、それでも一日を終えたこと。
そういう小さな感覚を覚えていれば、いつか10月を思い出したときに、「あの頃の自分は、こんなふうに毎日を過ごしていたな」と思える気がする。
一年の中の一か月は、過ぎてしまえば短い。
それでも、その一か月を生きていた自分にとっては、一日一日がちゃんと時間だった。
今年の10月を思い出すとき、何をしたかだけではなく、どんな気持ちで過ごしていたのか。
そんなことを、そっと残しておきたい。


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