少しだけ部屋を整えると、心も整う気がする。
朝、出かける前にバタバタして、
脱ぎっぱなしの部屋着や、
テーブルの上に置いたままの書類がそのままになっていた。
帰ってきて、ドアを開けた瞬間、
その景色が目に入る。
たったそれだけで、
なんとなく疲れが増す気がするのは不思議だ。
本当はわかっている。
部屋が整えば、気持ちも少し軽くなるって。
でも、なかなか時間がないと難しい。
やることは他にもあるし、
今日はもういいかな、と思ってしまう日も多い。
ほんの少しだけ、動かしてみる
それでも今日は、
ほんの五分だけ動いてみた。
テーブルの上を片づけて、
クッションをぽんぽんと整える。
窓を少し開けて、
冷たいけれど新しい空気を入れる。
それだけ。
掃除機をかけたわけでも、
大掛かりな模様替えをしたわけでもない。
でも、不思議と視界がすっきりする。
部屋の空気が変わると、
胸の奥も少しだけ広がる。
キッチンでお湯を沸かしながら、
「あ、なんか違う」と思う。
部屋が整えばいいって、
頭ではずっとわかっている。
でも実行するのは難しいよねぇ。
完璧にやろうとするから、
重たくなるのかもしれない。
全部じゃなくていい。
少しだけでいい。
ひとつ動かすだけでも、
ひとつ拭くだけでも、
ちゃんと変わる。
整った部屋の中で、
湯気の立つマグカップを両手で包む。
今日も、少しだけ整った。
それで十分だと思う。


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