自分のためだけに買ったものがある。
誰かへのプレゼントでもない。
仕事で必要だったわけでもない。
生活に絶対必要だったわけでもない。
ただ店の中で見つけて、「これが欲しい」と思って、自分で選んだもの。
そういうものは、なぜか長く手元に残っている。
棚の中を整理していると、昔買ったものが出てくることがある。
「これ、いつ買ったんだっけ」と思いながら手に取る。
少し傷がついていたり、使った跡が残っていたりする。
それでも、捨てようとはあまり思わない。
高価なものだから大切にしているわけでもない。
誰かからもらった思い出があるわけでもない。
ただ、自分が欲しいと思って買った。
そのことが、今でも少し嬉しいのだと思う。
「欲しい」と思って選んだもの
必要なものは、必要だから買う。
誰かのために買うものには、相手の喜ぶ顔を思い浮かべることもある。
それももちろん大切な買い物だけれど、自分のためだけに選ぶものには、少し違った感覚がある。
「これが欲しい」
その気持ちだけで選んでいい。
値段や実用性を考えることもあるけれど、最後は自分が欲しいと思ったから買う。
そうやって選んだものは、使うたびに少しだけ気分が上がる。
机の上に置いてあるものを何気なく見て、「やっぱりこれ好きだな」と思うこともある。
何年も使っているうちに、買ったときの気持ちまで一緒に残っているように感じる。
もしかすると、物そのものを大切にしているだけではないのかもしれない。
そのときの自分が、「これが欲しい」と思った気持ちを大切にしているのだと思う。
誰かのためでも、必要に迫られたからでもない。
自分自身が選んだもの。
だから、時間が経っても手放したくならないのかもしれない。
毎日の生活では、自分以外の誰かを考えて選ぶことも多い。
だからこそ、ときどきは自分のためだけに何かを選ぶ時間も大切にしたい。
「これが欲しい」と思えるものに出会えたら、その気持ちをそのまま大事にしてみる。
そんな小さな選択が、いつか長く付き合える大切なものになっているのかもしれない。


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