昔は細かく話せるほど覚えていたことを、ふとした瞬間に思い出せなくなることがある。
好きだった作品の名前や、昔遊んでいたゲームの内容。誰かと何度も話したことなら、場面まで浮かんでくるくらい覚えていたはずなのに、今では「あれ、なんだったっけ」と言葉が出てこない。
スマホに残っている写真を見返して、「そうそう、こんなことがあった」と思い出すこともある。
けれど、その思い出も時間が経てば、また少しずつ薄れていく。
昔なら、こんなに忘れることはなかったのになと思う。
以前は好きな作品の話を振られれば、登場人物の名前や好きな場面まで細かく話せた。それなのに今は、知っているはずなのに説明できない。
そんなとき、少し寂しく感じることもある。
でも、最近は忘れてしまうことを、少し違った見方で考えるようになった。
もう一度覚える楽しさもある
昔好きだった作品をもう一度見たり、久しぶりに遊んだゲームを触ったりすると、「こんな場面あったな」と思い出すことがある。
最初に触れたときには気づかなかったことに、今になって気づくこともある。
昔は何となく見ていた場面が、今見ると妙に心に残ったり、当時は気にも留めなかった言葉の意味が、今になって分かったりする。
一度覚えたことを忘れて、もう一度覚える。
そう考えると、忘れることも必ずしも悪いことではないのかもしれない。
もちろん、何度も忘れてしまうと「前はもっと覚えていたのにな」と思うこともある。
それでも、また思い出していく時間には、それなりの楽しさがある。
一度目は新しいものとして楽しみ、二度目は思い出として楽しむ。
そして、三度目には、前とは違うところを見つけるかもしれない。
同じものなのに、そのときの自分によって見え方が変わる。
そう考えると、忘れてしまったことも、また楽しめるものとして残っているような気がする。
覚えていることだけが大切なのではなく、忘れたあとにもう一度出会えることにも、ちょっとした面白さがある。
昔の自分が楽しんだものを、今の自分がもう一度楽しむ。
その中で、昔は気づかなかった何かを見つけられたら、それは忘れたからこそできた、新しい楽しみ方なのかもしれない。

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