家の中を見ていると、ときどき「これ、いつから使ってるんだろう」と思うものがある。
たとえば、物を置いているラック。特別高価なものでもないし、今となっては少し古くなっている。それでも、そこに置いてある物を整理していると、ふと長く使っていることに気づく。
考えてみれば、このラックは初めて一人暮らしをしたときに買ったものだった。
当時は何もない部屋に、必要な家具を一つずつ揃えていった。今では当たり前のように家の中にあるけれど、最初は何もなかった部屋に、このラックを置いた日のことを思い出す。
ほかにも、何となく机の上に残っているボールペンがある。
インクがなくなれば芯を替えて、また使う。いつ買ったものなのかと思ったら、これもずいぶん前から使っている。しかも、自分で買ったものではなく、昔の上司からもらったものだった。
物を見ていると、思い出まで戻ってくる
普段は何も考えずに使っている物でも、少し立ち止まって考えてみると、そこにはいろいろな記憶が残っている。
ラックを見れば、初めて一人暮らしをした頃のことを思い出す。家具を選んだこと、部屋に物が増えていったこと、その頃の生活のこと。
ボールペンを見れば、その頃に働いていた場所や、上司とのやり取りを思い出す。もう何年も前のことなのに、物をきっかけにすると、忘れていた場面まで浮かんでくるから不思議だ。
物は、ただそこに置いてあるだけなのかもしれない。
でも、長く使っているうちに、その物と一緒に過ごした時間が少しずつ重なっていく。
新しい物に買い替えることもあるけれど、こうして長く残っている物には、それだけの理由があるのかもしれない。
「これ、いつから使ってるんだろう」
そんな小さな疑問から、昔の自分や、忘れていた出来事を思い出すことがある。
そう考えると、何気なく使っている物も、少しだけ特別に見えてくる。
これからも使えるうちは、大切に使っていきたい。
いつかまた「これ、いつから使ってるんだろう」と思ったとき、そこには今の時間も一緒に残っているのかもしれない。


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