小学生のころ、友だちと一緒に“かまくら作り”に挑戦した日のことを、ふと思い出しました。雪が多い地域だったので、学校から帰るころには、校庭の隅にも、家の前にも、雪がふわふわと積もっていました。そんなある日、「かまくら作ってみようぜ!」という一言がきっかけで、初めてのかまくら作りが始まりました。
とはいえ、小学生の力です。大人が作るようなしっかりしたかまくらではなく、ほんのり形になったら満足する程度の小さなもの。でも、当時の私たちにとっては、それが本当にワクワクする“秘密基地”のように見えていました。
雪を集めて、押して、固めて……。とにかく固めるのが難しくて、力を入れすぎると崩れてしまうし、軽く押すだけでは形にならない。手袋の中はじんわり濡れて、指先もかじかむけれど、それすら楽しかった気がします。
なんとか完成したかまくらは、小学生がギリギリ入れるくらいの小さな空間。それでも、中に入ると外の音が少しだけ遠くなって、白い壁に囲まれたその空間は、不思議な落ち着きをくれました。「すげぇ……ほんとに入れる」と誰かが言ったのを、今でも覚えています。
中に入って、少しだけ静けさを味わったあと、みんなで顔を見合わせて笑い合った、あの一瞬。今思い返してみても、それは冬の中でも特に“宝物みたいな思い出”のひとつです。
大人になった今では、雪かきのほうが先に頭に浮かんでしまうけれど、それでも冬の匂いを感じると、あの時の小さな冒険と、少し窮屈なかまくらの中の静けさを思い出します。あの頃の私が感じていたワクワクは、雪の中にちゃんと残っている気がします。



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