図書館

日記

久しぶりに図書館へ行ってきました。ただ自動ドアが開くだけなのに、あの静かな空気がふわっと流れ込んでくる感じ、なんだか懐かしくて胸があたたかくなりました。館内はいつもと変わらない、紙の匂いと静かな足音。日常の喧騒から、ひと息だけ切り離されたような空間。あぁ、ここってやっぱり落ち着くなぁ……と、心の中でそっとつぶやいてしまいました。

小学生の頃、私は図書館の常連でした。学校が終わるとランドセルのまま向かって、閉館ギリギリまで本を読んでいたあの頃。放送で「まもなく閉館です」と流れると、名残惜しくてページを戻したくなったものです。でも結局、どうしても続きが気になって、次の日また行くか、借りて帰るかの二択でした。

土曜日も日曜日も、時間を見つけては通っていました。「読書が好きだったの?」と聞かれると、うーんと少し首をかしげます。本が好きなのは間違いないんだけど、それと同じくらい、あの空気感が好きだった気もするんですよね。静かで、自分のペースで時間が流れて、誰にも急かされない場所。図書館の“あの雰囲気そのもの”が、私には心地よかったのかもしれません。

今日ひさしぶりに訪れてみて、そんな昔の気持ちがふっとよみがえりました。最近はデジタルでなんでも読める時代になったけれど、紙のページをめくる音や、文字のインクのにおいって、特別なものがありますね。まるで「おかえり」と言ってくれているみたいで、不思議と安心できました。

帰り道、貸し出しカウンターで本を数冊借りた私を見て、昔の自分が笑った気がします。
あの頃と同じで、やっぱり今日も読みきれなくて、手元に連れて帰ってきました。
図書館が好きなのか、本が好きなのか。どっちなのかは、きっとこれからもわからないままなんだろうな。でも、それでいいのかもしれません。好きなものは、理由じゃなくて“感じるもの”だから。

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