仕事や用事を終えて外に出たとき、ふっと春の風を感じる日がある。
朝は少し慌ただしくても、帰り道になると不思議と気持ちがゆるむ。駅から家までの道をゆっくり歩きながら、やわらかい空気に包まれると、それだけで「今日も終わったなぁ」と肩の力が抜けていく。
昼間より少し冷たさの残る風の中に、ちゃんと春の香りが混ざっていて、それがなんだか「お疲れ様」と声をかけてくれているように思える。
帰り道で、自分を少しだけ褒める
帰り道が気持ちいい日は、それだけで少し救われる。
うまくいったことが多かった日も、そうでもなかった日も、とりあえずここまで来た自分をちゃんと認めたくなる。電車を降りて、信号を待ちながら空を見上げる。明るさの残る夕方の空や、どこかやさしい風の流れに触れていると、「今日は今日でよくやった」と思えてくる。誰かに褒められなくても、自分で自分の頑張りをわかってあげられるのは、少し幸せなことなのかもしれない。
春の帰り道には、がんばった気持ちをやさしく包んでくれる力がある気がする。
急がずに歩ける日、少しだけ遠回りしたくなる日、コンビニの灯りさえあたたかく見える日。そんな何気ない景色の中で、自分の一日を静かに振り返る時間が好きだ。
完璧じゃなくてもいいし、全部が思い通りじゃなくてもいい。それでも今日をちゃんと終えて、こうして帰ってきている。それだけで十分だと思う。春の風に背中を押されるみたいに、自分を少しだけ褒めながら帰れる夜があるのは、なんだかありがたい。


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