帰り道、ふと「年度末だな」と思う。
駅に向かう人の流れが、いつもより少し早い気がする。改札を抜ける足取りも、どこか急いでいる。
スーツ姿のサラリーマンの表情も、心なしか険しく見える。スマートフォンを見つめる目も、少しだけ真剣で、少しだけ疲れている。
自分もきっと、同じ顔をしているのだろう。
電車の窓に映る自分の姿を見て、そっと背筋を伸ばす。気づかないうちに、空気に引っ張られてしまいそうになる。
飲み込まれないように
年度末は、どうしてもざわつく。終わらせなきゃいけないこと。まとめなきゃいけないこと。次に向けて準備すること。
考えれば考えるほど、心が前のめりになる。
でも、全部を背負わなくていい。
駅前のコンビニの灯りを横目に、少しゆっくり歩いてみる。冷たい夜風が、頬に触れる。
深呼吸をひとつ。
周りの忙しさに飲み込まれないように。誰かの焦りに引っ張られないように。
自分のペースを、自分で守っていきたい。
やることはある。忙しいのも事実。
それでも、必要以上に心まで急がなくていい。
家に帰ったら、あたたかいお茶をいれよう。少しだけ、静かな時間をつくろう。
年度末の空気は確かにある。でも、その中でどう呼吸するかは、自分で選べる。
今日もちゃんと、自分を保っていこう。


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