少しだけ春を想う

まだコートは手放せないし、朝の空気もきりっと冷たい。それでも、ふとした瞬間に「春」を想像してみたくなる。

寒さ真っただ中にいると、春のあたたかさってどんな感じだったか、少し忘れてしまっていることに気づく。

手袋なしで歩けたこと。マフラーがいらなかったこと。そんな当たり前だった感覚が、今はなんだか遠い。

春の午後を思い出す

デスクに座って仕事をしているとき、窓から入る光が少しだけやわらかく感じた。それだけで、頭の中に春の午後が広がる。

お昼過ぎ、ポカポカした空気に包まれて、なんだか少し眠くなっていたあの感じ。パソコンの画面を見ながら、まぶたが重たくなって、「これは春のせいだな」なんて思っていた。

あの、やさしい眠気。寒さで肩をすくめることもなく、ゆったりとした時間が流れていた。

今はまだ、吐く息が白いけれど、季節はきっとちゃんと進んでいる。気づかないうちに、少しずつ。

帰り道、冷たい風に吹かれながら、それでも頭の中では春の景色を描いてみる。薄手のコート、やわらかい日差し、どこか軽い足取り。

早く春が来てほしい。そう思えるのは、きっと今が寒いからこそ。

あと少し。その「あと少し」を楽しみにしながら、今日もあたたかい飲み物で手を温める。

春を想像するだけで、心がほんの少し軽くなる気がした。

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