雪玉競争の帰り道

日記

小学生のころの冬の遊びといえば、やっぱり雪だった。朝起きて、窓の外が白くなっているのを見ただけで、もう心が落ち着かなかった。早く外に出たくて、給食が終わる時間や、帰りのチャイムを何度も意識していた気がする。

帰り道では、いつの間にか遊びが始まっていた。その日のテーマは、綺麗な雪玉作り。誰が一番きれいな丸を作れるか、家に着くまでの短い距離で競争する。

雪を手のひらで転がして、少しずつ固めていく。強く握りすぎると割れるし、力が弱いと形が崩れる。その加減が難しくて、何度もやり直した。手袋の中はすぐに濡れて、指先は冷たくなっていくのに、不思議とやめようとは思わなかった。

歩きながら、転がしながら、時々立ち止まって形を整える。友達の雪玉をちらっと見て、「あ、負けてるかも」と焦ったり、「今回はいけるかも」と密かに自信を持ったり。そんな気持ちも全部楽しかった。

家が近づくころには、だいたい雪玉は完成している。最後にもう一度くるっと回して、表面をなでて、できるだけ丸くする。玄関の前で見せ合って、誰のが一番きれいか決める時間も、冬の思い出のひとつだ。

今思えば、結果なんてどうでもよかったのかもしれない。冷たい空気の中で、笑いながら歩いた帰り道そのものが、宝物だった。あの頃の冬は、遊びも雪も、すぐそばにあった。

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