たまに、ふっと喫茶店に行きたくなる日があります。特別な理由があるわけじゃないけれど、家の中とはちがう「ひと息つける場所」がほしくなることってありますよね。そんなとき、昔ながらの喫茶店のドアを開けると、外とは別世界のような、ゆっくりとした時間が流れていて、思わず肩の力が抜けていきます。
私はたばこを吸うので、自然と昔ながらの喫茶店に足が向きます。カウンターには常連さんがいて、新聞を読みながらコーヒーをすすっていたり、店主さんと世間話をしていたり。そのゆるい距離感がほどよくて、まるで小さなコミュニティにそっと混ざらせてもらっているような安心感があります。
店内に流れるレトロなBGMや、棚に並んだ少し色あせた雑誌。窓際の席に座ると、外の通りが自然とスローモーションに見えてきて、忙しい日々のあれこれも一旦どこかに置いてこられる気がします。コーヒーの香りがゆっくりと空気に溶けていくのを感じながら、ただぼーっとしているだけでも十分に過ごせてしまうんですよね。
喫茶店って、なにもしなくても受け入れてくれる場所だなぁと思います。スマホをいじってもいいし、ぼんやり窓を眺めるのもいい。考えごとをしてもいいし、逆に何も考えない時間を楽しんでもいい。そんな「ただいるだけで許される空間」は、今の時代だからこそ、より大切に感じるのかもしれません。
家に帰る頃には、心の中が少しだけ軽くなっていて、「また来よう」と思わせてくれる。私にとって喫茶店は、そんな小さな癒しの場所です。



コメント