思い出とゲーム

日記

大人になった今でも、ゲームを起動する瞬間はわくわくする。あのタイトル画面がふわっと浮かび上がる感覚は、子どもの頃となんにも変わらない。でも思い返せば、あの頃はRPGばかり遊んでいたなぁと思う。

学校から帰ってランドセルを投げて、まっすぐテレビの前に座り込む。小さな画面を見つめながら、ひたすらレベル上げ。スライム一匹倒すだけで少し成長していくあの時間が、妙に好きだった。ラスボスなんて“余裕”と言えるくらい、必要以上に鍛え上げてしまうタイプで。おかげで、ストーリー終盤の緊迫したはずの戦いが、ちょっとした作業みたいになっていたのも、いい思い出だ。

本筋そっちのけでサブクエストばかり追いかけるのも好きだった。村の隅っこにいるおじいさんを助けたり、森の中の隠し宝箱を探したり。「クリアしたら続きは明日」と言われても、つい寄り道が止まらなくて。気づけば夜ご飯の匂いがしてきて、あわててゲームを中断する。そんな日常が、当たり前にそこにあった。

でも、今は気づけばアクションゲームを好んで遊ぶようになっていた。素早い操作とテンポの良さが気持ちよくて、サクッと遊べるのがちょうどいい。昔みたいに、じっくり何十時間もレベルを上げる余裕が、正直なくなってしまったからかもしれない。

大人になると、時間はあるようで、意外とない。仕事のあとにゲームをつけても、30分ほど遊んだら眠くなってしまう。それでも、コントローラーを握ると心が少し軽くなるのを感じる。あの頃ほど長くは遊べないけれど、ゲームがくれる“ちょっとした非日常”は、今も変わらずありがたい。

画面の向こうに広がる冒険を前に、胸が高鳴る感じ——あれはきっと、何歳になってもなくならないんだろうな。

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