ピクロスからナンプレへ

日記

昔から、パズルが好きだった。小さいころ、スーパーファミコンで遊んでいた「マリオのピクロス」というゲームが、きっと最初のきっかけだったと思う。ブロックを一つずつ削っていくと、だんだん絵が浮かび上がってくるあの感じ。間違えて「ピコンッ」と音が鳴るのも、なんだか愛おしくて、何時間でも夢中でやっていた。

当時はただ「遊び」だったけれど、あれがのちの「イラストロジック」や「ナンプレ」につながるとは思っていなかった。大学生のころ、コンビニで見つけたパズル雑誌をなんとなく買ってみたのが、次の出会いだった。講義の合間、カフェでペンを片手に数字を埋めていく時間。あの静かな集中の瞬間が、なぜかすごく落ち着いた。友達とワイワイするのも楽しかったけど、一人で頭の中を整理するような時間も、悪くなかった。

大人になってからは、気づけばナンプレにどっぷり。スマホアプリでもできるし、寝る前のちょっとした時間に最適なんだよね。仕事で疲れた夜、無言で数字を追っていくうちに、だんだん心が整っていくような感じがする。不思議と、考えてるのにリラックスできる。

子どものころは「解けた!やった!」という達成感がうれしかったけれど、今は「考えてる時間そのもの」が楽しい。間違ってもいいし、急がなくてもいい。ただ目の前のマスをひとつずつ埋めていく――それだけで、気持ちが落ち着く。

思えば、パズルって人生みたいだなと思うことがある。最初は意味が分からなくても、少しずつヒントをつなげていくうちに、だんだん形が見えてくる。間違えたって、やり直せばいい。そんな当たり前のことを、パズルがいつも教えてくれている気がする。

子どものころに夢中でやっていたマリオのピクロス。あのとき感じた「できた!」の喜びを、今も形を変えて味わっている。これからも、静かな夜に、ペンを持って少しずつ埋めていく。そんな時間が、きっと私にはちょうどいい。

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