靴は、ずっとスニーカー派だ。子どもの頃からそうだったし、大人になった今でも変わらない。だけど、最近になって初めて知った。スニーカーって「歩く用」「走る用」みたいに、ちゃんと用途が分かれていることを。見た目は似てるのに、履いてみると全然違う。びっくりした。
ある日、久しぶりに新しい靴を買おうと思って、街のスポーツショップに立ち寄った。店内は新しいゴムと布の匂いがして、棚には色とりどりのスニーカーが並んでいた。「歩くとき用のスニーカーがほしいんです」と店員さんに話したら、いろんな種類を持ってきてくれた。底の厚さや柔らかさ、足を包み込む感じまで、それぞれ少しずつ違う。試しに履いてみると、「あ、全然ちがう」とすぐにわかった。
軽く歩いてみると、足が自然に前に出る。まるで地面との間にクッションがあるみたいで、ふわっと弾むような感覚。それだけで気分が上がった。「スニーカーって、こんなに進化してたんだなぁ」と思いながら、鏡の前で何度も足踏みした。
結局、少しグレーがかった白のスニーカーを選んだ。デザインもシンプルで、どんな服にも合いそう。店を出たあと、そのまま履いて歩いてみたら、もう驚くほど歩きやすかった。普段通りの道なのに、なんだか少し特別に感じる。足取りが軽くなって、いつもより遠回りして帰りたくなった。
夕方の風が心地よくて、街路樹の葉がカサカサと鳴る。新しい靴が、まるで「どこまでも行けるよ」と言っているみたいだった。歩くことって、ただの移動じゃなくて、こんなに気持ちのいいことだったんだと気づかされる。
スニーカーを選ぶのに、こんなにワクワクするとは思わなかった。“履く”というより、“相棒を見つけた”ような気分。明日はどこを歩こうかな――そんなことを考えながら、家までの道をゆっくり楽しんだ。


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