空とつながる糸

日記

今日は朝から空がきれいだった。雲ひとつない青に誘われるように、久しぶりに公園へ出かけた。少し冷たい風が頬をかすめて、「あ、今日、凧が上がりそうだな」と思った瞬間、子どものころに買ってもらったカラフルな凧の記憶がふっとよみがえった。

広場では、小さな男の子が凧の糸をぎゅっと握って走っていた。凧は最初こそふらついていたけれど、風をつかむとすーっと空に吸い上げられていく。それを見ていたら、なんだか自分もやってみたくなって、つい売店で簡単な凧を買ってしまった。

糸を手に持って、風を待つ。
ふわっと風が背中を押した瞬間、思い切り走り出した。最初はうまく上がらなかったけれど、何度か試すうちに、凧はするすると高く上がっていった。その瞬間、胸の奥から「やった!」って声が出た。まるで空とつながったみたいで、気持ちが一気に軽くなった。

高く高く、凧は青空を泳いでいる。糸の先を通じて、風の力や空の広さを手の中で感じられるようで、なんとも言えない幸福感に包まれた。気づけば大人になってからこんなに無邪気に笑ったのは、いつぶりだろう。

凧が風に乗るたび、自分の心までふわっと浮かぶようで、「うまくいかないことも、風が変われば上がるかもしれないな」なんて思った。ほんの小さな遊びだけど、こんな時間が今の自分にはとても大切なんだと思う。

帰り道、手の中の糸巻きを見つめながら、「またやりたいな」と自然に口からこぼれた。大人になっても、凧あげってこんなにテンションが上がるんだなぁ。風の中で少しだけ、子どもの自分に戻れたような気がした。

コメント