今朝は久しぶりに早起きをしました。カーテンの隙間からうっすらと差し込む光に目を覚まされて、いつもより少しだけ早く布団を抜け出す。窓を開けると、ひやりとした空気が頬を撫でました。ああ、もう冬の空気だなぁと思わずつぶやく。湯を沸かして、温かいお茶を一口飲んでから、外に出てみることにしました。
まだ人通りの少ない朝の道。白い息を吐きながら歩いていると、いつもより世界が静かに感じます。街路樹の葉はもうほとんど落ちていて、アスファルトの上をサクサクと踏む音だけが響く。その音が心地よくて、少しだけ足を止めました。
冬の空気って、なんでこんなに澄んでいるんでしょうね。冷たくて、でもどこか懐かしい香りがする。吸い込むたびに胸の中まで冷たさが届くけれど、その冷たさが逆に心をすっきりさせてくれる気がします。ゆっくりと呼吸をしているうちに、頭の中のもやもやも少しずつ晴れていくような。
散歩をしていると、小さなパン屋さんから焼き立ての香りが漂ってきました。「この時間に歩くのも悪くないな」なんて思いながら、温かい空気と冷たい空気が混ざり合う感覚を楽しみます。早起きって、いつもはちょっと苦手だけれど、こんな静かな時間に出会えるなら、たまにはいいかもしれません。
帰り道、空を見上げると、薄い雲の向こうに朝日がのぞいていました。新しい一日が始まる、その瞬間。冷たい空気の中に、少しだけやさしい温もりを感じながら、今日も穏やかに過ごせそうだなと思いました。



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